清水てつじ事務所
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樹木医 佐野藤右衛門さんに四高桜を見て頂く

昭和16年4月6日、旧制第四高等学校(現金沢大学)漕艇部11名が琵琶湖で遭難し尊い命が失われるという痛ましい事故が起きました。

四高桜は、事故で亡くなった11名の部員を偲んで、翌年に関係者と地域住民の方々が協力して、高島市の萩の浜に植樹された千本の桜で、今日まで哀悼の意を捧げられてきました。
その四高桜も、60年余りが経過し、桜の木も老朽化して、現在は数百本となっています。
地域住民の方々も、四高桜は地域の桜の名所のひとつであり、遭難事故を風化させたくないとの思いから、四高桜の子孫を育て、道路沿いに植えようという計画が進んでおり、第一回「四高桜植樹祭」では120本の桜木を植樹し、その成長を楽しみにしているところです。
4月16日に、全国でも有名な樹木医の佐野藤右衛門さん(株式会社樹藤造園・代表取締役)に高島市にわざわざお越し頂き、四高桜を診断して頂きました。

いろいろお話を聞かして頂き、佐野藤右衛門さんの桜に対する思いに非常に感銘を受けました。

佐野藤右衛門さんは、桜を単なる植物ではなく、まるで人間のように意識・感情を持つ生命であるんだと、愛情をもって捉えておられ、また植物の成長する過程は全て意味があると、我々にお教え下さいました。

佐野藤右衛門さんの診断では、四高桜はテングス病(・・・一般に桜と呼ばれているソメイヨシノの代表的な病気で、この病気にかかると、枝の一ヶ所から何本もの枝が出て、大きな鳥の巣のようになり、つけ根から切り取って焼き捨てなければ、木がだんだん弱り枯れてしまう病気)にかかっている木や、すでにシロアリや主幹が枯れている木もあり、残念ながら今の状況は非常に厳しい状況であるとのことでありました。

四高桜の碑の横に植えられている兼六菊桜
金沢の兼六園に、佐野藤右衛門さんも携われた兼六園菊桜があります。その桜は、兼六園に一本しかない有名な桜で、花弁数が約300枚あり、日本で花弁数の最も多い珍しい桜であります。その子孫の兼六園菊桜の子孫が、なんと高島市の「四高桜の碑」の横に植えられていると聞いて、びっくり致しました。
本当に、この桜は貴重な桜であるとお教え頂き、改めてこれらの桜を大切にしていかなければと思いました。
「四高桜を守り育てる会」の200名余りの会員の方や地元の方々の、夢と思いを後世に伝えるために、皆さんと一緒に、これからも最善の方法を、考えていきたいと思います。

                        清水てつじ

| 2008年04月16日 | 活動日記 |